どうも、かきのたねです。
波の式の求め方って、結構わかり難いですよね。今回は、ある瞬間の波の形(\( yx \)グラフ)、またはある特定の位置での振動(\( yt \)グラフ)が与えられたときの波の式の求め方を解説します。
どちらの場合も波の式の求め方は、次の考えが重要となります。
時刻\( t \),位置\( x \)での変位を求めるのだが、その変位はどこかから伝わってきたものである。
この解説では、波について次の値が与えられているものとします。
- 速さ \( v \)
- 波長 \( \lambda \)
- 振動数 \( f \) (周期 \( T=\frac{1}{f} \) )
- 振幅 \( A \)
問題を解く際は、\( v=f\lambda \) などを使って、予め求めておきましょう。
ある時刻での波の形(\( yx \)グラフ)が与えられているとき
与えられた条件:写真パターン
時刻\( t \)での波が図のようになっていたとしよう。\( x \)は位置、\( y \)は変位を表している。
\[ y = A\sin{2\pi \frac{x}{\lambda }} \]
時刻\( t=0 \)で海の波の写真を撮ったようなものだ。
時間経過で波は下のように伝わっていく。この波の式が、今求めたいものである。(ここでは波が右向きに進むこととした)
波の式を求める
時刻\( t=0 \)での波は次の式で表せていた。
\[ y(t=0,x) = A\sin{2\pi\frac{x}{\lambda }} \]
波は\( t \)秒間で\( vt \)だけ右向きに進むので、
次の2つの変位は同じである!
- 時刻 \( 0 \), 位置 \( x-vt \)
- 時刻 \(t \), 位置 \( x \)
このことから、
波の式
さらに\( v=f\lambda \)を使うと、次のように書き換えられる。
\[ y(t,x) = A\sin{2\pi (\frac{x}{\lambda }-ft)} \]
これが求めたかった波の式だ。
長さ1mのなかに波が何波長分入っているかを表すものとして、波数\( k \)というものがあるよ。
\[ 波数 : k = \frac{1}{\lambda } \]
これを使うと波の式は、こんな感じに綺麗に書き換えられるんだ。
\[ y(t,x) = A \sin{2\pi (kx – ft)}\]
上の解説では波が右向きに進んでいるものとした。
波が左向きに進んでいるときは、波は\( t \)秒間に\( vt \)だけ左向きに進むので、次の2つの変位が同じとなる。
- 時刻 \( 0 \), 位置 \( x+vt \)
- 時刻 \(t \), 位置 \( x \)
このことから、波の式はこのように変わる。
\[ y(t,x) = A\sin{\frac{2\pi }{\lambda }(x+vt)}\]
ある位置での振動(\( yt \)グラフ)が与えられているとき
与えられた条件:葉っぱパターン
位置\( x=0 \)での媒質の振動が下図のように与えられたとしよう。
\[ y = A\sin{2\pi ft} \]
これはある特定の位置(\( x=0 \))で媒質がどのように振動するのかを表している。その位置で媒質は下のように動く。
海に葉っぱが浮かんでいるようなものだ。
海全体を見ると、波はこのようになっている。この波の式が、今求めたいものである。
波の式を求める
位置\( x=0 \)での振動は次の式で表せていた。
\[ y(t,x=0) = A\sin{2\pi ft} \]
波が右向きに\( x \)だけ進むのに\( \frac{x}{v} \)秒かかるので
次の2つの変位は同じである!
- 時刻 \( t-\frac{x}{v} \), 位置 \( 0 \)
- 時刻 \(t \), 位置 \( x \)
このことから、
波の式
\[ y(t,x) = y(t-\frac{x}{v},x=0) = A\sin{2\pi f(t-\frac{x}{v})} \]
これが求めたかった波の式だ。
このパターンの問題でも波数\( k = \frac{1}{\lambda } \)を使うと、波の式をこのように綺麗に書き直せるよ。
\[ y(t,x) = A\sin{2\pi (ft-kx)} \]
上の解説では波が右向きに進んでいるものとした。
波が左向きに進んでいるときは、波は左向きに速さ\( v \)で原点に向かっていく(\( x>0\)のとき)。位置\( x\)の波が原点まで進むのに\( \frac{t}{v} \)秒かかるので、次の2つの変位が同じとなる。
- 時刻 \( t+\frac{x}{v} \), 位置 \( 0 \)
- 時刻 \(t \), 位置 \( x \)
このことから、波の式はこのように変わる。
\[ y(t,x) =A\sin{2\pi f(t+\frac{x}{v})} \]
まとめ
右向きに進む波の式
写真パターン:\( yx \)グラフ\( y=y(t=0,x) \)から求める
\[ y(t,x) = y(t=0,x-vt) \]
葉っぱパターン:\( yt \)グラフ\( y=y(t,x=0) \)から求める
\[ y(t,x) = y(t-\frac{x}{v},x=0) \]
左向きに進む波の式
写真パターン:\( yx \)グラフ\( y=y(t=0,x) \)から求める
\[ y(t,x) = y(t=0,x+vt) \]
葉っぱパターン:\( yt \)グラフ\( y=y(t,x=0) \)から求める
\[ y(t,x) = y(t+\frac{x}{v},x=0) \]
高校物理の家庭教師
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