原子

わかりやすい! 質量欠損とは?

どうも、かきのたねです。

質量欠損って、不思議な現象ですよね。今日はこの質量欠損について話していきましょう。

質量欠損

まずは質量欠損とはどんなものなのか知ってもらおう。

陽子や中性子がくっついて原子核を作るとなぜかくっついた後の方が軽くなってしまう現象があり、その減ってしまう質量を質量欠損と言う。

質量とエネルギーの等価性

ここでアインシュタインが導き出した驚異的な関係式を紹介する。
\[ E=mc^{2} \]
Eは物体の持つエネルギー、mは静止した物体の質量、cは光の速さである。つまりこれは質量とエネルギーが等価であることを表わしている。少し書き換えると
\[ m=\frac{E}{c^{2}} \]
物体の質量は、その物体が持つエネルギーで決まるのだ。簡単に言ってしまえば、位置エネルギーの増減により質量が増えたり減ったりする。

かきのたね
かきのたね
この式は重さを計る人から見て静止した物体について成り立つ式で、物体が動いている場合は式がちょっとだけ変わってしまうよ。

ここではどんな式になるのか書かないけど、本質的には同じだから気にしないで大丈夫。

物体が動いているときこの式はそのまま使えない、ということだけ覚えておこう。

物体同士(電荷がゼロだとすると)は近づけば近づくほど位置エネルギーは減少する。これはくっついたものを引き離すのにエネルギーが必要であることからも想像がつくだろう。

元のバラバラの状態に戻すのにエネルギーが必要ということは、くっついた状態の方がエネルギーが低いということだ。そのため質量も軽い。

もちろん重力によって質量は多少軽くなるだろうが、質量欠損の主な原因は強い力という名の力である。

今のところこの世に力は4種類しかないと言われている。重力・電磁気力・強い力・弱い力の4つである。強い力と弱い力は原子の内部でしか働いていないので、私たちが普段イメージするような力は重力と電磁気力だけだと言っていい。

重力は簡単にイメージできるだろう。他にイメージするような力はすべて電磁気力で説明できる。例えば垂直抗力、これはそれぞれの物体に電気的な反発力が働いていると解釈できる。物体を構成する原子は全体で電気的に中性だったとしても、ミクロな視点で見ると正の電荷を持った原子核の周りに負の電荷を持った電子があることは知っていることだろう。摩擦力や空気抵抗などもすべて電磁気力で説明できる。

ちなみに電磁気力は重力よりも強い。ビルの上から物を落としたとしよう。地面に着くまでずっと重力により加速されるが、地面に着いた瞬間に地面との間で電磁気力が働き、跳ね返ってしまう。重力は長い時間かけて物体を加速してきたのに、たった一瞬働いた電磁気力に負けてしまうのだ。重力はとても弱いことがわかっていただけただろうか。

質量欠損をもたらす強い力

原子核は強い力によって作られている。陽子や中性子を強い力がくっつけているのだ。

強い力は電磁気力よりも強い。正の電荷を持った陽子同士でさえくっつけてしまうことができる。力が強ければ強いほど位置エネルギーの減少は大きくなるので、陽子や中性子がくっつくと位置エネルギーは大幅に減少する。そのため質量も大幅に減少するのだ。

強い力には、非常に短い距離にしか届かないと言う特徴がある。そのためバラバラの状態では位置エネルギーに変化はなく、くっついた瞬間に位置エネルギーが大きく減少し、質量が減る。これが質量欠損を引き起こすメカニズムである。

この時に放出されたエネルギーは、電磁波として放出されたり運動エネルギー(熱エネルギー)となったりする。

先ほども述べたが、くっついた陽子や中性子にエネルギーを与えるとバラバラな状態にすることができる。つまり、結合状態はエネルギーが低くなっている

結合するとエネルギーが減少するので、減った分のエネルギーの大きさを結合エネルギーと呼ぶ。

わかりやすい!
高校物理の家庭教師

最後まで読んでくださり、ありがとうございます(`・∀・´)

Twitterで更新情報などをツイートするので、少しでもこの記事が面白いと思っていただけたら是非フォローお願いします!

この分野の説明をして欲しいといったリクエストも随時募集しております。お問い合わせやTwitterなどからご連絡下さい!

Twitterをフォロー

POSTED COMMENT

  1. ja7tdo (@520chain) より:

    陽子と陽子が励起した電子=パイ中間子で結び付けられているんじゃないでしょうか? 質量欠損は、電磁質量からみれば、パイ中間子が負の質量として現れるからのような気がします。

    • かきのたね より:

      ja7tdo(@520chain)さん、コメントありがとうございます。
      ご質問にお答えします。

      核子同士がπ中間子で結び付けられているという理解は正しいです。

      しかし少し難しい言い方かもしれませんが、こちらの記事では力を粒子のやりとりではなくポテンシャルによるものとしております。これは、電磁気力が光子のやりとりであることを、ポテンシャルによる力と言ってしまうことと同じです。

      3種類のπ中間子には電荷を持っているものが2種類ありますが、どのπ中間子も電子とは異なる素粒子であるクオークと反クオークの複合粒子となっています。(未だクオーク単体での観測はされていませんので、本当にそのようになっているかは確かめられてはいません)

      電磁質量について詳しくは知りませんが、荷電物体が移動の際に電磁場の変化を伴わなければならないことと、今回の記事で説明している質量欠損とは関係がないことだと思います。

      もしまだ疑問点などありましたら、気兼ねなくコメントしてください。可能な限り対応いたします。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です