どうも、かきのたねです。
電流は電子の流れだ、と聞いたことがあると思います。金属では自由電子が流れていることは知っているかもしれません。
電気回路では半導体を使うこともありますが、この半導体にはp型(positive,正の電荷が流れる)とn型(negative,負の電荷が流れる)とがあります。
今日はホール効果を使って、半導体に流れる電荷の正負を探っていきましょう!
これを理解するにはフレミングの左手の法則についての知識が必要なので、まずはじめにフレミングの左手の法則について復習しておきましょう。
フレミングの左手の法則
磁場中で荷電粒子が(磁場に垂直に)運動すると、その荷電粒子は力を受けることが知られている。これをフレミングの左手の法則といい、その力をローレンツ力と言う。磁場の向き・電荷の進む向き・力の向きの関係はこの法則で決まっており、その名の通り下の図のような関係になっている。
電荷が負であるときは、その負電荷の進む向きにそのまま中指を向けてはいけません。負電荷の進む向きとは逆向き(つまり電流の向き)に中指を向けましょう。
磁場の中で正電荷が動くとき、フレミング左手の法則に従って力が働く。これがもし負電荷だったら力の向きは逆になる。
つまり同じ磁場・同じ向きに動いていても、電荷の正負で力の向きが異なる。
ホール効果
金属板に磁場をかけながら、導線をつなげて電気を流してみよう。
どうなるだろうか?
金属中では電子が磁場と垂直に運動し、フレミングの左手の法則を使うと赤い矢印の方向にローレンツ力を受けることがわかる。
その結果、手前に負電荷・奥側に正電荷がたまる。
つまり奥から手前にかけて、金属に電位差が生じるのだ。
この現象をホール効果と言う。
もちろん手前と奥を導線でつなぐと、奥から手前に電流が流れる。
半導体に流れる電荷の正負を探る
次に正電荷が流れるp型半導体に電流を流してみよう。
半導体中では正に帯電した粒子(のようなもの)が磁場と垂直に運動し、フレミングの左手の法則を使うと赤い矢印の方向にローレンツ力を受けることがわかる。
その結果、手前に正電荷・奥側に負電荷がたまる。
このようにホール効果が起こるのだが、手前と奥を導線でつなぐと手前から奥に電流が流れる。
お気づきになられただろうか?
半導体に流れる電荷の正負によって、導線でつないだときに流れる電流の向きが異なっている。
このようにして、ホール効果から半導体に流れる電荷の正負が判別できるのだ!
まとめ:半導体に流れる電荷の正負の判別法
- 半導体にはp型(positive,正の電荷が流れる)とn型(negative,負の電荷が流れる)とがある。
- 半導体に電流を流すと、p型半導体もn型半導体も流れる電荷はどちらも同じ向きに力を受ける。
- p型かn型かによって電荷のたまり方が異なるので、導線でつないで流れる電流の向きを調べれば、半導体に流れる電荷の正負がわかる。
n型半導体(半導体に流れる電荷は負)
p型半導体(半導体に流れる電荷は正)
高校物理の家庭教師
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素人質問で申し訳ないのですが、フレミング左手の法則の注意書きの欄に「電荷が負であるときは、その負電荷の進む向きにそのまま中指を向けてはいけません。負電荷の進む向きとは逆向き(つまり電流の向き)に中指を向けましょう」とありますが、これを適用してホール効果を考えた時に、自由電子が受ける向きが異なっているのではないかと疑問に思いました。しかし実験の映像やシュミレーションの動画を見ても同じように自由電子が移動し、高電位側も同じように定まります。どうしてこのような矛盾が生じるのでしょうか?
今回の設定では電子が右から左に流れているので、中指は逆向きにして左から右の向きに向けます。磁場の向き(人差し指の向き)を上向きにすると、力(親指)は手前に向くことが確認できますね。電流の向きに中指を合わせるので、キャリアが正であっても負であってもキャリアの受ける力の向きは変りません。